Who(誰が) | 筆者が |
When(いつ) | メンタルクリニックに通い始めた頃 |
Where(どこで) | 主治医との診察の際、 |
Why(なぜ) | 生きるのがあまりに辛く、絶望し、先も見えず、とても苦しく、治療しても埒があかないと思ったため、 |
What(何を) | 主治医に対して、 |
How(どのように) | 「死にたいんですけど」「本当に良くなるんですか」「よくなるとか全然思えないし想像もできないんですけど」「先生はどうして診療しているんですか」などと、火の玉ストレートで問い詰めた。 |
Then(どうなった) | 主治医は困ったような悲しそうな辛そうな顔をしてこう言った。 「私たち医療者は皆、『どんな患者さんにも必ずよくなる/治っていく力が備わっている』と信じているし、実際誰にでもそのような力は備わっている。だから医者をやっている。だから、そう信じる私たちを、どうか信じてほしい」 真っ暗闇に、色もないし光もないしすごく細いけれど、一筋の糸が垂らされた気がした。 |
前提条件
- この主治医は藪医者ではあった。
- 詰め寄ったこと自体はよくないことである。
なぜやってよかったのか
- 精神科やカウンセリングに通っているだけではなかなか治療に結びつかないこともある。
- (適切な形である必要はあるが)時に怒り時に泣き、裸の気持ち・本音をぶつけることで治療の元になる信頼関係が作られていく場合がある。
- この信頼関係の醸成こそが、治療に必要な治療的関係(ラポール。必要な時に必要なことを言える信頼関係)の形成であり、筆者の場合は、このエピソードがラポール形成のきっかけとなった。
やらなかったらどうなっていたか
- ずるずるとただ通院するだけで、良くなっていくきっかけが作られなかったと思われる。
- なんなら医療者に不信感を持ち、通院をやめていたかもしれない。
- その場合、最悪、遠からず死を選んでいた可能性も高い。
備考
- この主治医の言葉が本当なのか、折につけ様々な医療者に尋ねている(今日も看護師に尋ねた)が、概ね「そうだ」「まさにそのとおり」という反応が返ってくるので、主治医の言葉はかなり普遍的な感覚であり、ある種の真理なのだろうと推測される。
- 医療者をうまく利用できない患者は多い。
- 筆者のケースがどんな参考になるかわからないが、主治医やカウンセラとの治療的信頼関係の構築(ラポール形成)のため、いっぽ踏み出し踏み込んでみて欲しい。