ご都合主義ではないでしょうか

現在文明を構成しているヒト以外の動物の命の価値は、人類社会にとって、あるいは個人にとって有益であるかどうかで判断されていると思います。 有益であれば生かし、有害であれば駆除します。 また、利益以外にも「見た目」がかなり大きな要因を占めています。 パンダは人類社会に特に利益を与えません(宣伝効果はあるかもしれません)が、「かわいい」という理由で保護されています。 一方でゲジゲジは益虫ですが、見た目が気持ち悪いため駆除されがちです。 人間以外の生物には当然ながら基本的人権が適用されませんので、命の扱い方が人間とは明確に違います。 ペットや家畜のように、人間に家畜化された動物はある程度権利が保障されていますが、それ以外の生物に関しては扱いが割と適当です。 「命はかけがえのないもの」という言説があるのにも関わらず、現実にはかなり雑に扱われているというギャップには正直私も気持ち悪さを感じます。

ネズミだけ可哀想と思うかもしれませんが、猫や犬も野良は保健所に連れて行かれる点でそう変わりません。 ネズミはノミや恐ろしい病気を媒介するし、電線をかじって火事の原因にもなる害獣かつ、とんでもないスピードで増えます。 猫や犬は不妊手術でなんとかなるかもしれませんが、ネズミは無理です。 命の重みを語るのであれば、筆者は蚊やダニ、ゴキブリ、病原菌は殺さないで済ますのでしょうか？ 一般的にネズミはこのくくりです。

多分「良い悪い」ではなくて、「できるできない」の集合無意識なんだと思う。 自分がかわいいと思った動物（猫）は殺せないし、そうでない動物（ネズミ）は殺せる。 日本では「猫は可愛くてネズミは可愛くない」と多数の人が思っているから結果的になんとなく「猫は殺してはダメでネズミは殺しても良い」という雰囲気になっているだけで、もちろん基準が違う人もいる。基準が大幅にズレていて「人間を殺せる」となっている人もいそう。