5W1H+Then状況説明
Who(誰が) | 筆者が |
When(いつ) | 大学1年生から2年生にかけての春休みで |
Where(どこで) | 都内の教習所で |
Why(なぜ) | 早いうちに運転免許を取るべきだと思ったので |
What(なにを) | 運転免許(MT)を |
How(どのように) | 取ろうとした。 |
Then(どうなった) | 第一段階で初回からすべての技能教習で補講を食らい、春休みで卒業できるはずだった教習所に夏まで通い続けることになり、教習所に向かうたびに「休む理由が欲しいから車に跳ねられたい」と思うようになった(免許は最終的に取れた) |
なぜこうなったのか
- 適性検査(K型)では不安を感じ やすい性格が出て「やや注意」程度の結果だったので、不注意さえ気を付ければいいと思っていた
- 両親とも問題なく運転できる人物だったため、筆者も両親も苦労するとは思っていなかった
- それゆえ「親世代の人間がみんなできたんだから、なんとかなるだろう」と思ってMT車の教習を申し込んだ
- 初回(シミュレーターは使わない教習所で、たまたま雨の夜だった)と2コマ目続いての惨状で完全に調子をおかしくした
- 運転用の教本を読んでもフルカラー印刷が情報量の暴力と化して全く頭に入らなかったため、予習が不可能だった
- 「通わない合法的な理由」が欲しくて、教習所までの道で車に跳ねられたいとずっと思っていた。今思うと多分適応障害か何かだった
- 第二段階に進んでからはストレスの出方が変わったのか、すべての座学で猛烈な眠気に襲われるか居眠り未遂をしていたため、起きているのに必死で何の話をしていたのか全く内容を覚えていない
- 4回目あたりの教習でカーブが上手く曲がれず困っていたら、教官から斜視を疑われ「我々と目の使い方が違いすぎる」と人外宣言みたいなものを受け、ショックで泣いた
- 筆者の不注意傾向により注意範囲がおかしい部分があるのを、器質的な病気しか知らない教官が斜視だと思い込んだのだろう
- 眼科の検査で通常明らかにならないものに「有効視野」がある。注意している範囲以外にどこまで認識できているか(notぼんやり見えている)を指すものだが、筆者はこれが極端に狭いらしい。探し物が苦手なのともおそらく関連する
- 筆者は非常に背が低く、教習車(アクセラ)はクッションを背中に挟まないと満足にペダルが踏めず、運転中の肉体的ストレスが普通の人の数倍あった
- あとから気づいたが、WAISを受けたときに苦手な点として「部分的な情報をもとに全体の結果を予測することが苦手」「情報をインプットする際に、細かなところまで注意を向け続けることが苦手。また、情報量が多くなってくると、それらをまとめて一度に覚えておくことが苦手」と指摘されていた
- 数値上も生活実感としても、空間の処理への苦手意識はまったくなかった
- なお、自分が処理できるのは脳内の空間図形であり、現実に存在するオブジェクトが速度をつけて迫ってくるのを認知・対応する能力はないということが判明した
- 車体感覚は横方向に関してはないも同然である
- 車の操作性に関する勘違いが多かった
- アクセルの踏み込み深さと速度は一対一対応するもので、高速道路なら深く踏みっぱなしだろうと思いこんでいた。acceleratorという単語と、力学で加速度を表すのに用いるaがある日結びつき、自分の勘違いがわかった
筆者のような認知能力の偏りがある人の取りうる対策
- そもそも取得理由が身分証の確保だけならマイナンバーカードだけでよしとする
- 自転車に乗れる環境のある人は自転車に乗り、速度と車道の交通ルールに慣れておく
- 筆者は家の近所に坂道と幹線道路しかないため事実上無理だったが、そもそも「車」が無理なのは緩和されると思う
- 適性検査をあてにしない
- 適性検査に現れない部分の異常だけでここまで苦しむことができる
- 教習所の教本以外で車の仕組みを勉強しておく
- 10分でわかることを1時間かけて説明されても逆に頭に入らないし、当時の自分にとっては図解が多すぎた
- 合宿ではなく通いにする
- 宿泊が伸びるのはスケジュール面でも金銭面でも痛いが、通いの場合少しお金を出せばスケジュール変更し放題のあるプランを選択できることがある。筆者はこれのお陰で教習所に行くたび調子を崩したりたまに座学をサボったりしつつも通いきることができた
- 逆説的だが、MTで免許を取る
- 仮に大苦戦しても「MTだから」苦労したのだという設定にでき、免許トークをしたときの見かけの健常度が上げられる
- 実際は筆者はほぼエンストやギアのミスはしておらず、MT由来の困難というものはあまりなかった
- 複雑な操作に教習で慣れるため、相対的に通常のAT車の運転を簡単に感じる
- 現在AT車を運転すると、クリープ現象に慣れないため駐車場などでゆっくり走らせるのが難しいので、言い訳の話とこれで一長一短と思われる
- 免許取得後数年間わかばマークを貼る(長期間貼るぶんには合法)
- 大きな画面で音ゲーをする
- 免許取得後、iPadでプロセカに打ち込んで難易度Expertを大半クリアした頃に久々にスマブラをプレイしたら、急に敵からの攻撃を避けられるようになっており、明らかに上達していた
- おそらく、上から高速で降ってくるノーツを追ううちに視野が広くなったためである。アク ションゲームで有効視野が広がるのは一般に言えることなのか、誰か心理実験として調べてみてほしい
その後
- みきわめ・仮免許は各一度落ちた
- なぜか第二段階に進んでからは補講はなく、逆に怖かった
- 2月中、せめて3月には卒業する予定だった教習所に数ヶ月通い続ける羽目になり、その年度の夏学期自体を台無しにしてしまった
- 筆者の悪戦苦闘っぷりを見た診断済みASDの友人が免許を取る気をなくした
- 原則運転はしていないが、親同伴で自家用車(ノート)でたまに練習している。操作性が教習車より良いしATなので取り回しやすいとは思うが、状況の深刻さを理解した親から一人での運転は禁じられている
- 注意範囲の狭さゆえのヒヤリハットはあるが、視野が若干マシになったからか恐怖心・嫌悪感は薄れており、現在まで事故は起こしていない