概要

  • 社会生活は複雑であり、Aの場面では好ましかった行為がBの場面では好ましくない結果を招くということは多々ある
  • 経験はあくまで経験である。あらゆる場面で守るべきルールではない

事例集

事例①:カラオケの選曲で我を出すことについて

記事場面歌った曲結果
1a. カラオケでボカロを入れるべきではない高校の部活の親睦会ボカロ曲引かれた
1b. ギャルにカラオケに誘われた場合高校の時・友人とアップルパイプリンセス場が白けた
1c. カラオケに行ったら多少はメジャーな歌を歌うべき友人とのカラオケ立項者:ボカロ曲・友人:昭和歌謡盛り上がらなかった
1d. カラオケに複数人で行った場合、周囲の人が知らないような曲を歌うべきではない中学生の時・友人とマイナーな曲あとで恥ずかしくなった
1e. 初対面のカラオケでは案外我を出しても良い内定者の親睦会趣味の曲各々が我を出し、盛り上がった
  • 1a. および 1b. の記事では、立項者は自分の趣味を出した結果、場が白けてしまったと述懐している。1c. および 1d. の記事では、立項者は我を出しすぎたことを後悔しているが、同行者もカラオケの場自体は楽しんでいたようだ。1e. の記事では、立項者が率先して選曲で我を出したことがアイスブレイクとなり、場は大いに盛り上がった
  • これらの記事から「こうすればよい」というエミュレータ的結論を導き出すことは難しい。場の空気を読んで臨機応変に行動すべきである
 

事例②&③:進学先の選び方について

記事進学先理由結果
2a. 少しでも学校名を気にするような奴は高専に来てはいけない高専学歴にこだわりすぎることを格好悪いことだと思っていたため周囲の人間と価値観が合わず、苦しい学生生活を送ることになった
2b. 程度の低い学校に通うのもあり専門学校受験した全大学に落ちたため良い成績を残して卒業することができ、自己肯定感が高まった
  • 2a. と 2b. の記事はいずれもそれまで過ごしてきた環境とくらべてやや学力の低い環境に進学した者が書いた記事である。いずれの筆者も進学先の学びには興味を持っていたようだ
  • しかし、2a. が「1,2ランク下の学校のレベルの人が多く、そのためか周囲と価値観が合わなかった」とその決断を悔やんでいるのに対し、2b. では「高校の頭のいい友人も、専門学校のアホな友人も、どっちも良い人」だったと、その決断を好ましいものだったと述懐している
記事進学先理由結果
3a. 大学院に何も考えず進学すべきでない大学院大多数の人が進学していたため授業や就活でうまく研究が進まず、ずっと夏休み最終日みたいな気分で2年間を過ごした
3b. 大学院への進学は思い付きでするのが良い大学院思い付きで・おぼろげにタイミングが今しかないと思ったため様々な学会で発表し、その分野のパイオニアに褒められたり、当時最先端の研究に触れることができた
3c. 内定がない場合、修士課程に進学するという選択肢がある大学院内定が一つもなかったため就活を再スタートすることができた
  • 3a. 3b. 3c. はいずれもあまり強い動機を持たないまま修士課程に進学した者の述懐である。3b. 3c. の筆者は有意義な修士生活を送ることができたようだが、3a. において、その決断は筆者の首を絞めることになった
  • 進学は人生における重要な決断であると同時にきわめて個人的なものでもある。Aの人がうまくいったことがBの人にとっても同様とは限らない

事例④:打ち上げに参加するべきかどうかについて

記事場面結果
4a. 懇親会や打ち上げの類にはできるだけ参加した方がいい会社の懇親会・打ち上げできるだけ参加するようにしたら、周囲の人間との関係性が改善し、ミスした時にかばってもらえるようになった
4b. カラオケ店にホイホイと行くべきではないオフ会二次会のカラオケ歌える曲がないため周囲だけが盛り上がり、1時間弱の滞在、ジュースを2杯ほど飲み2000円を払ってその場を後にした
  • 当然ながら4a. を守るべきで4b. を守るべきではない、逆に4b. を守るべきで4a. を守るべきではないという主張はいずれも(私論以上のものとしては)成立しない
  • どちらの選択が皆さんにとって好ましいかは、皆さん自身がどちらかを選択するまでわからない